個人事業主向けクラウド会計ソフトの選び方|弥生・freee・マネーフォワードを比較

個人事業主が会計ソフトを探すとき、候補になりやすいのが「弥生」「freee会計」「マネーフォワード クラウド確定申告」です。

3サービスとも、日々の取引入力から確定申告まで対応しています。

ただし、料金だけを比べても選びきれません。

たとえば、

・銀行口座やクレジットカードをどの程度連携したいか
・レシートをスマホで何枚くらい取り込みたいか
・請求書も同じサービスで管理したいか
・スマートフォンだけでどこまで作業したいか
・操作に困ったとき電話サポートが必要か
・数年後にサービスを解約したとき帳簿を確認できるか

によって、確認すべきプランが変わります。

この記事では、2026年9月8日に各社の公式サイト・公式ヘルプで確認できた情報だけを使って比較します。

「最も簡単」「このソフトなら必ず節税できる」といった順位付けや税額の保証は行いません。

※料金・機能・契約条件は2026年9月8日確認。契約前には各社公式サイトで最新情報を再確認してください。

まず3サービスを同じ基準で比較

項目弥生(やよいの青色申告 オンライン)freee会計マネーフォワード クラウド確定申告
無料利用1年間無料キャンペーンあり。別に最大2か月の一部機能無料体験あり30日間のお試しあり。終了後は機能制限されたプラン未契約状態1か月無料トライアルあり。終了後自動課金なし
最低価格帯の通常料金セルフ 年11,800円+税スターター 年11,760円+税/月払い1,780円+税パーソナルミニ 年10,800円+税/月払い1,280円+税
銀行・カード連携ありありあり
レシート撮影ありスターター月5枚、上位プランで拡大ミニ月15件、パーソナル月30件、プラス月100件まで基本料金内
請求書Misocaとの連携あり全プランで見積書・請求書作成クラウド請求書と連携
確定申告書作成・e-Tax対応作成・電子申告対応作成・電子申告対応
スマホ取引入力・レシート撮影。申告書作成はPCスマホで確定申告作業可能スマホで申告書作成・電子申告可能
電話サポートベーシック以上プレミアム以上パーソナルプラス
解約後解約するとデータ参照不可。再契約しても旧データ再利用不可データは保持されるがプラン未契約時は表示・ファイル機能などに制限仕訳は削除されずログインして確認可能。一部操作は制限

この中で特に注意したいのが「無料」という言葉です。

3社とも、同じ意味で無料なのではありません。

無料プランと無料体験は分けて考える

弥生|1年間無料はキャンペーン

「やよいの青色申告 オンライン」は、2026年9月8日現在、セルフプランとベーシックプランで1年間無料のキャンペーンを実施しています。

無料期間終了後の通常料金は、

・セルフプラン:年額11,800円+税
・ベーシックプラン:年額22,800円+税
・トータルプラン:年額39,600円+税

です。

トータルプランは、現在1年間半額の年額19,800円+税となっています。

重要なのは、この「1年間無料」を無期限の無料プランと考えないことです。

現在実施されているキャンペーンによる初年度料金であり、無料期間終了後は通常料金が発生します。

なお、初年度無償キャンペーンの適用には、自動更新の決済方法として口座振替またはクレジットカードの登録が必要です。2026年9月8日現在、キャンペーン対象は2027年3月15日までの申込みと案内されています。更新前にキャンセルできますが、申込時に決済方法の登録が必要な点は確認しておきましょう。

また弥生には、最大2か月間、一部機能を無料で試せる「無料体験プラン」もあります。ただし、この無料体験では決算・申告機能を利用できません。

したがって、

「1年間無料キャンペーン」

と

「最大2か月の機能制限付き無料体験」

は別のものです。

freee会計|30日間のお試し後はプラン未契約状態

freee会計には30日間のお試し期間があります。

無料期間終了後、有料プランを契約していなければ「プラン未契約」の状態になります。

プラン未契約でもアカウント自体がなくなるわけではありませんが、有料プランと同じ機能を無期限に使える無料プランではありません。機能や過去データの表示範囲などに制限があります。

マネーフォワード|1か月無料、終了後に自動課金されない

マネーフォワード クラウド確定申告では、1か月無料トライアルを提供しています。

無料体験ではパーソナルプラン相当の機能を試せますが、一部機能には制限があります。

公式サイトでは、

・クレジットカード登録不要
・無料期間終了後に自動で有料プランへ移行しない
・作成したデータはトライアル終了後も引き継がれる

と案内されています。

トライアル終了後に契約しなかった場合は無償利用状態となり、有料時より機能が制限されます。

個人事業主向け料金を比較

料金は、キャンペーン価格ではなく通常料金も確認しておきましょう。

弥生

やよいの青色申告 オンラインは、3プランとも利用できる会計ソフトの基本機能は同じで、主にサポート範囲が異なります。

2026年9月8日現在の通常料金は、

・セルフ:年11,800円+税
・ベーシック:年22,800円+税
・トータル:年39,600円+税

です。

セルフはWeb FAQが中心です。

ベーシックでは電話・メール・チャットなどの操作サポートが加わり、トータルではさらに仕訳や経理業務、確定申告に関する相談サービスが用意されています。

freee会計

2026年9月8日現在、個人事業主向けの主な料金は次のとおりです。

スターターは、

・月払い:1,780円+税/月
・年払い:11,760円+税/年(月額換算980円)

スタンダードは、

・月払い:2,980円+税/月
・年払い:23,760円+税/年(月額換算1,980円)

プレミアムは年払いのみで、

・39,800円+税/年

です。

月払いと年払いでは金額が違うため、「月額○円」という比較記事を見る場合は、年払いを月額換算した数字なのか、本当の月払い料金なのかを確認してください。

マネーフォワード クラウド確定申告

2026年9月8日現在、

パーソナルミニは、

・年払い:10,800円+税/年(月額換算900円)
・月払い:1,280円+税/月

パーソナルは、

・年払い:15,360円+税/年(月額換算1,280円)
・月払い:1,680円+税/月

パーソナルプラスは、

・年払い:35,760円+税/年(月額換算2,980円)

です。

パーソナルミニでは消費税申告が利用できないなど、プランによって機能差があります。

したがって単純に最安プランの金額だけで決めず、自分に必要な申告・経理機能を確認する必要があります。

銀行口座・クレジットカードとの連携

3サービスとも、銀行口座やクレジットカードの明細を取り込む機能があります。

弥生

弥生の「スマート取引取込」では、連携した銀行口座やクレジットカードなどの取引データを取得し、仕訳候補として利用できます。

公式サイトでは、2025年8月時点で2,500以上の金融関連サービスと連携可能と案内されています。

freee会計

freee会計も、スタータープラン以上で銀行・クレジットカードの明細取得に対応しています。

事業用口座やカードを継続して利用している場合は、手入力だけでなく連携対象になっているかを契約前に確認するとよいでしょう。

マネーフォワード

マネーフォワード クラウド確定申告では、インターネットバンキングやクレジットカードと連携し、取引明細を取得できます。

ただし、連携先の仕様変更などによって一時的に取得できないケースもあるため、利用する金融機関が現在正常に連携できるかは契約時点で確認したほうがよいでしょう。

領収書・レシートの取り込み

紙の領収書が多い人にとっては、料金以上に影響する項目です。

弥生

「弥生 レシート取込」アプリを利用すると、スマートフォンでレシートや領収書を撮影し、スマート取引取込へデータを送れます。

日付や金額などを読み取り、仕訳へつなげる機能も案内されています。

今回確認した公式ページでは、他2社のような「月○枚まで」という明確なプラン別枚数上限を確認できなかったため、本記事では上限を推測しません。

freee会計

freee会計はプランによって差があります。

2026年9月8日現在、

・スターター:レシート撮影・アップロード月5枚まで
・スタンダード以上:月10GBまで

です。

スマートフォンアプリから紙のレシートや領収書を撮影して取り込むこともできます。

領収書が毎月5枚を超える人は、スターターを選ぶ前にこの制限を確認する必要があります。

マネーフォワード

2026年9月8日現在、基本料金内のレシート撮影件数は、

・パーソナルミニ:月15件
・パーソナル:月30件
・パーソナルプラス:月100件

です。

パーソナルミニは16件以上利用する場合、上位プランへの変更が必要です。

パーソナル、パーソナルプラスでは上限超過分について1件20円+税のオプション料金が発生します。

請求書作成は「会計ソフト内」か「連携サービス」かも確認

3社とも請求書関連機能を利用できますが、仕組みは同一ではありません。

弥生

やよいの青色申告 オンラインでは、請求書サービス「Misoca」と連携できます。

弥生公式では、Misocaを使って見積書・納品書・請求書を作成・管理し、やよいの青色申告 オンラインと連携できると案内しています。

freee会計

freee会計は、スターターを含む個人向け有料プランで見積書・請求書の作成に対応しています。

マネーフォワード

マネーフォワードでは「マネーフォワード クラウド請求書」で請求書を作成し、クラウド確定申告と連携できます。

作成した請求書に基づいて売掛金や入金予定の仕訳を作成する仕組みも公式ヘルプで案内されています。

「請求書が作れるか」だけではなく、会計仕訳までどのようにつながるのかを確認すると比較しやすくなります。

確定申告書類の作成

3サービスとも、個人事業主の確定申告書類を作成できます。

弥生

やよいの青色申告 オンラインでは、確定申告書の作成とe-Taxに対応しています。

セルフ・ベーシック・トータルのどのプランでも、利用できる会計・申告機能自体は同じです。

freee会計

freee会計はスタータープランから確定申告書類の作成に対応しています。スマートフォンから確定申告の入力・書類作成を進めることもできます。

消費税申告はスタンダード以上です。

マネーフォワード

マネーフォワード クラウド確定申告では、

・青色申告決算書
・収支内訳書
・確定申告書第一表~第四表
・医療費控除の明細書

などを作成できます。

消費税申告はパーソナル以上が対象です。

なお、農業所得用の青色申告決算書・収支内訳書には対応していないと公式サイトに明記されています。

スマートフォンだけでどこまでできる?

ここは3サービスで違いがあります。

弥生

専用アプリでは、日々の取引入力やレシート撮影ができます。

一方、2026年9月8日現在、弥生公式では確定申告書、青色申告決算書、収支内訳書などの作成はWindowsまたはMacのパソコンで行うと案内されています。

したがって「スマホ対応=確定申告の全工程がスマホで完結」とは考えないほうがよいでしょう。

freee会計

freee会計では、iOS・Androidアプリから所得税の確定申告作業を進めることができます。

レシート撮影などの日々の経理にも対応しています。

マネーフォワード

マネーフォワード クラウド確定申告アプリでは、仕訳、確定申告書作成、電子申告に対応しています。

スマホアプリで電子申告する場合は、マイナンバーカードと対応スマートフォン、利用者識別番号などの準備が必要です。

サポート方法は「料金の差」とセットで見る

操作に不安がある場合、どのプランから有人サポートを使えるかも重要です。

弥生

セルフプランはWeb FAQが中心です。

ベーシックでは、

・電話
・メール
・チャット
・画面共有(オペレーターから提案された場合)

などの操作サポートが利用できます。

トータルではさらに仕訳相談、経理業務相談、確定申告相談が加わります。

freee会計

スターターからチャット・メールサポートがあります。

スタンダード以上では優先対応となり、プレミアム以上では電話サポートが利用できます。

マネーフォワード

パーソナルミニとパーソナルでは、操作方法についてメール・チャットサポートを利用できます。

電話サポートはパーソナルプラスです。

「電話があるほうが安心」という場合は、最安プラン同士ではなく電話サポートが付くプラン同士の料金を比較したほうが適切です。

解約後にデータを見られるかは大きな違い

クラウド会計ソフトを数年間使う場合、契約時だけでなく「やめた後」も確認しておきたいところです。

税務関係のデータには保存が必要なものがあるため、解約直前に慌てて確認するより、最初からデータ出力方法を把握しておくほうが安全です。

弥生|解約前の保存が重要

弥生公式サポートでは、「やよいの青色申告 オンライン」を解約するとデータの参照を含めてサービスを利用できなくなると案内されています。

さらに、解約後に再契約した場合も新規契約となり、解約前のデータを再利用することはできません。

弥生には期首残高と取引データをエクスポートする機能があるため、利用終了を予定している場合は、解約前に必要な帳簿・申告書・取引データを保存しておく必要があります。

freee会計|データは残るが、プラン未契約では機能制限あり

freee会計は有料プランの支払いを停止すると、契約期間終了後にプラン未契約となります。

公式ヘルプでは、アカウントや事業所を削除しない限り、保存された電子帳簿保存法対象データが勝手に削除されることはないとしています。

ただし、有料プランをやめるとファイルボックス内ファイルの閲覧・ダウンロードなどができなくなる場合があります。

再度有料プランを契約すると利用可能になります。

したがって、

「データが保存されている」

ことと、

「解約後も有料時と同じように自由に閲覧・出力できる」

ことは別です。

解約前に必要なデータをダウンロードしておくほうが安全です。

マネーフォワード|仕訳は残り閲覧可能だが操作制限あり

マネーフォワード クラウド確定申告では、有料プランを解約しても登録済みの仕訳は削除されません。

該当事業者にログインすれば、解約後も仕訳を確認できます。

ただし無償利用状態では、

・1会計年度50件までの仕訳登録
・仕訳帳、総勘定元帳、補助元帳、残高試算表、決算書の閲覧・PDF出力

などに限られ、CSVエクスポートや一部の申告書出力などは利用できません。

そのためマネーフォワードも、「解約後もデータが残るから何も保存しなくてよい」という意味ではありません。

どの会計ソフトが向いているかは使い方から考える

3社とも確定申告に必要な機能を提供しているため、単純なランキングにする必要はありません。

たとえば、操作サポートをほとんど使わず、弥生の会計・申告機能を利用したいなら、セルフプランと上位プランの機能が同じである点は比較材料になります。

スマートフォンで確定申告まで進めたいなら、freee会計やマネーフォワードのスマホ対応範囲を確認する価値があります。

毎月レシートが多い場合は、freeeスターターの月5枚、マネーフォワード各プランの撮影件数などを先に確認したほうがよいでしょう。

電話で操作を聞きたいなら、

・弥生:ベーシック以上
・freee:プレミアム以上
・マネーフォワード:パーソナルプラス

というように、電話サポート付きプラン同士で料金を比べる必要があります。

請求書を頻繁に発行するなら、請求書を作成した後、売上の仕訳までどのように会計ソフトへ反映できるかも実際の作業量に影響します。

契約前に確認しておきたいこと

会計ソフトは、登録してすぐ有料プランを決める必要はありません。

まず次のような自分の状況を整理します。

銀行口座はいくつ連携したいか。クレジットカードは何枚使うか。毎月レシートは何枚くらい発生するか。請求書を何件発行するか。消費税申告が必要か。PCとスマートフォンのどちらを中心に使うか。電話サポートが必要か。

そのうえで、無料体験期間中に実際の作業に近い形で試します。

特に確認したいのは、

「銀行明細を取り込めるか」
「レシート入力が続けられそうか」
「請求書から売上登録までつながるか」
「確定申告書の作成画面を理解できるか」
「必要なサポートが契約予定プランに含まれているか」

です。

会計ソフトを選ぶ目的は、サービスの人気順位を決めることではなく、自分の事業の記帳・申告作業を継続できる仕組みを作ることです。

まとめ|料金より「毎月の作業」と「解約後」まで見る

弥生、freee会計、マネーフォワード クラウド確定申告は、いずれも個人事業主向けに会計・確定申告機能を提供しています。

ただし、

無料利用の仕組み
料金体系
レシートの取り込み上限
スマートフォンでできる範囲
サポート方法
解約後のデータ

には違いがあります。

特に「無料」は注意が必要です。

弥生の1年間無料は現在実施されているキャンペーンで、通常料金とは分けて考える必要があります。

freeeは30日間のお試し後、プラン未契約状態では機能が制限されます。

マネーフォワードは1か月無料トライアル後に自動課金されませんが、無償利用状態では確定申告やデータ出力などに制限があります。

また、クラウド会計ソフトは何年も帳簿データを蓄積する可能性があります。

「契約するときの料金」だけでなく、

「解約したあとに何が見られるか」
「必要なデータをどの形式で保存できるか」

まで確認して選ぶことが重要です。

なお、会計ソフトが税務判断そのものを保証するわけではありません。取引の税区分、経費になるかどうか、申告方法など個別の税務判断に迷う場合は、税務署や税理士など適切な専門家へ確認してください。

※料金・機能・利用条件は2026年9月8日確認。サービス内容やキャンペーンは変更される可能性があります。契約前に各社公式サイト・公式ヘルプで最新情報をご確認ください。

コメント