顧客からの依頼はメール。
外注先との連絡は個人向けメッセージアプリ。
自分の作業メモは別の場所。
このように仕事の連絡先が分散すると、
「どこで返事をしたか分からない」
「依頼された内容を探せない」
「添付ファイルがどこにあるか分からない」
「メッセージを読んだのに作業を忘れる」
といった問題が起こりやすくなります。
ビジネスチャットを導入する目的は、メールをチャットへ置き換えることだけではありません。
確認したいのは、
・顧客や外注先とつながりやすいか
・過去のやり取りをどこまで検索できるか
・依頼をタスクとして管理できるか
・ファイルを共有できるか
・必要なら音声・ビデオ通話へ移れるか
・仕事を終了した相手のアクセスを止められるか
です。
この記事では、2026年9月9日にSlack、Chatwork、Microsoftの公式サイト・公式ヘルプで確認できた情報をもとに、Slack、Chatwork、Microsoft Teamsを比較します。
単に「多機能だから一番おすすめ」という順位付けは行いません。
- Slack・Chatwork・Microsoft Teamsを比較
- Slack|チャンネルごとに仕事を整理する
- Slack Freeは履歴90日が大きな制限
- Slack Proの料金
- Slackは無料版でもチャンネルを作れる
- Slackで顧客・外注先とやり取りする
- Slackの音声・ビデオ通話
- Slackのファイル共有
- Slackと外部サービスの連携
- Slackを有料から無料へ戻す場合
- Chatwork|チャットとタスクをシンプルにまとめる
- Chatwork Freeは直近40日まで
- Chatwork Standardの料金
- Chatworkは組織外の相手ともつながれる
- Chatworkにはタスク管理が標準である
- Chatworkのファイル保存容量
- Chatwork LiveはFreeでは1対1
- ChatworkはiPhone・Androidに対応
- Googleカレンダーとの連携は直接同期とは限らない
- Chatworkは有料からFreeへ戻せない
- Microsoft Teams|チャット・会議・ファイルをMicrosoft 365とまとめる
- Teams Freeは個人使用向けとして案内されている
- Teams Essentialsは月額換算599円+税
- Teamsでは外部の人ともチャットできる
- TeamsのファイルはOneDriveやSharePointと関係する
- Teamsは会議との切り替えがしやすい
- Microsoft 365を使っているならTeamsとの重複を確認する
- Teams Essentialsを解約するときはデータを事前確認する
- 顧客との連絡では「相手が既に使っているか」も重要
- チャットを契約書代わりにしない
- 顧客情報や機密情報を送る場合の注意
- パスワードをチャット本文で共有しない
- 2段階認証も設定する
- 3サービスの選び方
- 最初から全顧客を移行しない
- まとめ|「機能数」より誰と何をやり取りするかで選ぶ
Slack・Chatwork・Microsoft Teamsを比較
| 項目 | Slack | Chatwork | Microsoft Teams |
|---|---|---|---|
| 無料プラン | あり | あり | 個人用Teams Freeあり |
| 小規模事業向け有料料金 | Pro:年払い時US$7.25/人/月、月払いUS$8.75 | Standard:年払い月額換算700円+税、月払い840円+税 | Teams Essentials:年払い月額換算599円+税 |
| 無料版の履歴 | 直近90日を表示・検索。1年超は削除 | 直近40日のメッセージを閲覧可能 | 無料版のチャットメッセージ数に上限なしと公式案内。ただし無料版は個人使用向け |
| 外部の相手とのチャット | Freeは1対1中心。Slack Connectの有料機能に差あり | Freeは組織外コンタクト20人/ユーザーまで | 外部アクセス・ゲストアクセスあり。方式により機能差あり |
| タスク管理 | Pro以上でLists等。外部アプリ連携も可能 | 標準でタスク管理あり | タスク・Planner等と連携 |
| ファイル共有 | 対応。Freeは履歴制限あり | 対応。Freeは1組織10GB | 対応。Teams Essentialsは1ユーザー10GB |
| 音声・ビデオ | Huddle。Freeは1対1 | Chatwork Live。Freeは1対1 | チャット・通話・会議 |
| スマートフォン | iOS・Android対応 | iOS・Android対応 | iOS・Android対応 |
| 外部サービス連携 | 多数のアプリ。Freeはアプリ数制限 | API・Webhook・Zapier等 | Microsoft 365、OneDrive、Planner等 |
| 有料解約後 | Freeへダウングレード可能 | Freeへのダウングレード不可。解約するとアカウント・ログ削除 | 契約終了後はMicrosoft 365のライフサイクルに従い最終的にデータ削除 |
3サービスともチャットはできます。
しかし、仕事の管理方法はかなり違います。
Slackは、案件やテーマごとにチャンネルを分け、他の業務ツールと連携しながら仕事を整理する使い方を比較しやすいサービスです。
Chatworkは、チャットとタスク管理を同じ画面で扱い、顧客や外注先との個別連絡を比較的シンプルにまとめたい場合に候補になります。
Microsoft Teamsは、チャットだけでなく会議、ファイル、Microsoft 365との共同作業までまとめたい場合に比較しやすくなります。
Slack|チャンネルごとに仕事を整理する
Slackでは、仕事の内容ごとにチャンネルを作成できます。
たとえば、
#顧客A
#顧客B
#経理
#Webサイト
#外注制作
のように分けておけば、案件ごとの会話やファイルを一か所にまとめられます。
1対1のダイレクトメッセージだけでなく、複数人で共有するチャンネルを中心に仕事を整理できる点が特徴です。
Slack Freeは履歴90日が大きな制限
SlackにはUS$0のフリープランがあります。
ただし、2026年9月9日現在、無料版で表示・検索できるメッセージとファイルは直近90日分です。
さらに、無料ワークスペースでは1年以上経過したメッセージとファイルが完全に削除されます。
つまり、
「半年前に顧客と何を決めたか確認したい」
といった用途では、無料版だけでは過去履歴を参照できない可能性があります。
仕事上の合意や重要な指示をSlackだけに残す場合は、この履歴制限を理解しておく必要があります。
Slack Proの料金
2026年9月9日に確認した公式料金では、Slack Proは、
年払い:アクティブユーザー1人あたり月額US$7.25
月払い:アクティブユーザー1人あたり月額US$8.75
です。
Proではメッセージ履歴の無料版制限がなくなり、グループHuddle、外部組織との連携、Listsなどの機能も利用できます。
日本円換算額は為替や課税条件等で変わるため、契約時の購入画面を確認してください。
Slackは無料版でもチャンネルを作れる
Freeでもチャンネルは無制限に作成できます。
公開チャンネルとプライベートチャンネルを使い分けられます。
一人で仕事をしている場合でも、
顧客ごと
案件ごと
業務内容ごと
にチャンネルを分けておけば、メールの受信トレイとは違う形で情報を整理できます。
ただしチャンネルを増やしすぎると、逆にどこへ書いたか分からなくなるため、最初は少数から始めたほうが管理しやすいでしょう。
Slackで顧客・外注先とやり取りする
Slackには外部の人と連携する機能があります。
Freeでは外部との共同作業は基本的に1対1に制限され、有料プランではSlack Connectを使った外部組織とのチャンネル共同作業などが利用できます。
ただし、相手もSlackを利用する必要があります。
「こちらがSlackを契約すれば、顧客はメールだけでチャットへ参加できる」という仕組みではありません。
顧客側が新しいツールへの登録を嫌がる場合は、この点も導入判断に含めてください。
Slackの音声・ビデオ通話
SlackにはHuddleがあります。
Freeでは1対1のHuddleが中心です。
現在の無料プランページでは30分の音声・ビデオ通話が案内されています。
Proでは最大50人のグループHuddleと画面共有などが利用できます。
短い確認をチャットからそのまま通話へ切り替えたい場合に利用できますが、顧客との正式なオンライン相談を行うならZoom・Google Meet・Microsoft Teamsなどのオンライン会議機能と別に比較する方法もあります。
Slackのファイル共有
SlackではPDF、文書、画像、スクリーンショット、音声・動画などを共有できます。
ただしFreeでは、メッセージだけでなくファイルも直近90日の表示・検索制限の対象です。
1年以上経過した無料ワークスペースのファイルは削除対象になります。
そのため、契約書、納品物、業務原本など長期間保持すべきファイルの唯一の保存先として無料Slackだけを使うのは避け、クラウドストレージ等の正式な保存先を別に決めておいたほうがよいでしょう。
Slackと外部サービスの連携
SlackではGoogle Driveなど多くの外部サービスと連携できます。
ただし無料プランでは追加できるアプリ数に制限があります。
2026年9月9日のSlack公式無料プランページでは最大3個のアプリと案内されています。
過去の公式情報には10アプリと記載されていた時期もあるため、公開時には現在の料金ページを再確認してください。
外部アプリ連携の多さだけでなく、
「実際に自分が連携したいサービスは何か」
を先に決めるほうが判断しやすくなります。
Slackを有料から無料へ戻す場合
Slackは有料プランからFreeへダウングレードできます。
ダウングレードすると、
・メッセージ・ファイル履歴の制限
・グループHuddleの制限
・Slack Connectの制限
・アプリ連携の制限
など、Freeの条件が再適用されます。
無料版では1年以上経過したメッセージ・ファイルが削除されるため、必要な過去データがある場合はダウングレード前に確認してください。
Slackにはワークスペースデータのエクスポート機能がありますが、Free・Proでは標準でエクスポートできる会話の範囲に制限があります。
「有料版をやめても必要な会話がすべて手元へ保存できる」と決めつけず、現在のエクスポート対象を確認してください。
Chatwork|チャットとタスクをシンプルにまとめる
Chatworkには、
・チャット
・タスク管理
・ファイル管理
・音声・ビデオ通話
がまとめられています。
チャットで、
「金曜日までに見積書をお願いします」
と依頼された場合、その内容をタスクとして登録できます。
メールのように「読んだあと作業を忘れる」という問題を減らしたい場合は、チャットとタスクが同じサービスにあることが比較材料になります。
Chatwork Freeは直近40日まで
Chatwork Freeは月額0円です。
2026年9月9日現在、無料版では直近40日以内に投稿されたメッセージを閲覧できます。
有料のStandard・Professionalでは全メッセージを閲覧できます。
したがって、
「数か月前の顧客からの指示を探す」
用途が頻繁にあるなら、Freeの40日制限を確認しておく必要があります。
Freeの主な条件は、
・1組織100ユーザーまで
・組織外コンタクト20人/1ユーザー
・ストレージ10GB/1組織
・ビデオ・音声通話1対1
です。
Chatwork Standardの料金
Standardは、
年払い:年8,400円+税
月額換算700円+税
月払い:840円+税/月
です。
有料版では全メッセージを閲覧でき、ユーザー数は無制限になります。
ストレージは1ユーザーあたり10GBです。
Chatworkは組織外の相手ともつながれる
Chatworkでは、組織外のユーザーを「コンタクト」として追加してチャットできます。
Freeの場合、組織外コンタクトは1ユーザーあたり20人までです。
継続的にやり取りする顧客や外注先が増える場合は、この20人という上限を確認します。
相手もChatworkアカウントを作る必要があります。
そのため、
「既に取引先がChatworkを使っている」
場合と、
「自分の都合だけで全顧客へChatwork登録をお願いする」
場合では導入のしやすさが違います。
Chatworkにはタスク管理が標準である
Chatworkではチャット内のメッセージからタスクを作成できます。
自分自身だけでなく相手へタスクを割り当てることもできます。
たとえば、
「資料を確認してください」
という会話を、そのまま締切付きの作業として残せます。
チャットと専用タスク管理ツールを別々に運用したくない場合は確認しやすい機能です。
一方、複雑なプロジェクト管理や看板・ガントチャートなどが必要なら、専用タスク管理サービスとの使い分けも検討してください。
Chatworkのファイル保存容量
Freeでは1組織につき10GBです。
Standard・Professionalでは1ユーザーにつき10GBです。
チャットでファイルを共有できますが、Chatworkを解約した場合、アップロードしたファイルは削除されます。
したがって、完成した納品ファイルや契約関係資料については、Chatworkだけでなく正式な保管場所を別に決めておくことが重要です。
Chatwork LiveはFreeでは1対1
ChatworkにはChatwork Liveという音声・ビデオ通話があります。
Freeでは1対1の利用です。
有料プランでは複数人通話を利用できます。
画面共有にも対応していますが、利用端末によって機能差があり、2026年9月9日時点ではAndroid版Chatwork Liveから画面共有を開始できないと公式ヘルプで案内されています。
スマートフォンだけで仕事をする場合は、PC版と同じ操作がすべてできるとは限らない点を確認してください。
ChatworkはiPhone・Androidに対応
ChatworkにはiPhone・iPad、Android用アプリがあります。
2026年9月9日時点の公式動作環境では、
iOS・iPadOS 17以上
Android 10以上
が案内されています。
同じChatworkアカウントでログインすれば、複数端末でデータが同期されます。
外出先で顧客からの連絡を確認したい場合にも利用できます。
Googleカレンダーとの連携は直接同期とは限らない
Chatwork公式では、ZapierやIFTTTを使ったGoogleカレンダー連携が案内されています。
Googleカレンダーのイベント情報をChatworkへ通知できます。
一方、公式ヘルプではChatworkからGoogleカレンダーへ予定を表示する機能ではないことも明記されています。
「Googleカレンダー連携あり」という言葉だけで、双方向同期だと思わないようにしてください。
Chatworkは有料からFreeへ戻せない
ここはSlackとの大きな違いです。
2026年9月9日時点で、ChatworkのStandardまたはProfessionalからFreeへダウングレードすることはできません。
Freeへ戻したい場合は、有料アカウントを解約して新たに登録する必要があります。
さらに解約すると、
・アカウント
・メッセージ
・タスク
・ファイル
などのログが削除され、復元できません。
したがって、有料Chatworkを業務の記録として利用する場合は、契約前から「将来やめるときに何を保存するか」も考えておく必要があります。
Professionalにはチャットログのエクスポート機能がありますが、タスク一覧やファイル本体など、すべてのデータをそのまま完全保存できる機能ではありません。
Microsoft Teams|チャット・会議・ファイルをMicrosoft 365とまとめる
Microsoft Teamsはビジネスチャットだけでなく、
・チャット
・チーム/チャネル
・オンライン会議
・ファイル共有
・タスク
・Microsoft 365との共同作業
をまとめるサービスです。
Word、Excel、PowerPoint、Outlook、OneDriveなどを既に業務で利用している場合は、Teams単独ではなくMicrosoft 365全体との組み合わせで比較すると違いが分かりやすくなります。
Teams Freeは個人使用向けとして案内されている
Microsoftには無料のTeamsがあります。
2026年9月9日時点では、
・1人用
・クラウドストレージ5GB
・グループ通話最大60分・100人
・チャット
・ファイル共有
などが案内されています。
ただしMicrosoft公式料金ページではこの無料版を「個人使用向け」として案内しています。
個人事業主が仕事用環境として継続運用する場合は、無料版だけで判断せず、一般法人向けのTeams Essentials等を比較してください。
Teams Essentialsは月額換算599円+税
Microsoft Teams Essentialsは、小規模ビジネス向けプランです。
2026年9月9日現在、
年払いで1ユーザーあたり月額換算599円+税
です。
主な内容は、
・チャット
・通話
・ビデオ会議
・ファイル共有
・タスク管理
・最大300人、最長30時間の会議
・会議録画
・1ユーザー10GBのクラウドストレージ
です。
Microsoft 365 Business Basicは年払い月額換算1,049円+税で、Teamsに加えてWeb・モバイル版Word、Excel、PowerPoint、Outlook、独自ドメインメール、1TBストレージなどが含まれます。
会議・チャット中心ならTeams Essentials、Officeやメール、ストレージまで一体化したいならBusiness Basicまで比較する方法があります。
Teamsでは外部の人ともチャットできる
Teamsには「外部アクセス」と「ゲストアクセス」があります。
外部アクセスでは、別のTeams組織やTeams Free利用者などと1対1・グループチャットができます。
ただし外部アクセスのチャットでは、外部参加者とのファイル添付やタブ・アプリ利用ができないなどの機能差があります。
より深く共同作業する場合は、相手をチームのゲストとして追加する方法があります。
ゲストアクセスではチャネルやファイル等も共有できますが、管理者側でゲストアクセスを許可している必要があります。
「外部ユーザーとチャットできる」
ことと、
「社内メンバーと同じ機能をすべて使える」
ことは別です。
TeamsのファイルはOneDriveやSharePointと関係する
Teamsでファイルを共有すると、保存場所は会話の種類によって変わります。
チームのチャネルへアップロードしたファイルは、そのチームのSharePointフォルダーへ保存されます。
チャットで共有するファイルはOneDrive等と連携します。
そのためTeamsは、「チャットアプリの中へファイルが保管される」とだけ考えるより、
Teamsは会話の入口で、ファイル本体はMicrosoft 365側のストレージと連携している
と理解したほうが管理しやすくなります。
共有を解除するときも、TeamsのメッセージだけでなくOneDriveやSharePoint側の共有権限を確認する必要があります。
Teamsは会議との切り替えがしやすい
Teamsのチャットから通話やオンライン会議へ移れます。
Teams Essentialsでは最長30時間、最大300人の会議を利用でき、録画も含まれます。
普段はチャットで連絡し、
「文章では説明しにくいので10分だけ話しましょう」
という場面で通話へ切り替える運用ができます。
オンライン相談を頻繁に行う個人事業主は、ビジネスチャット料金だけでなく、別途Zoom等を契約する必要があるかまで含めて総額を比較するとよいでしょう。
Microsoft 365を使っているならTeamsとの重複を確認する
既にMicrosoft 365 Business Basicなどを契約している場合、Teamsが契約に含まれていることがあります。
その状態で別のビジネスチャットを契約すると、
Slackの料金
+Microsoft 365の料金
のように機能が重複する可能性があります。
逆に、取引先の多くがSlackやChatworkを利用しているなら、Microsoft 365にTeamsが含まれているという理由だけでTeamsへ統一すると、顧客側の負担が増える場合があります。
自分の契約状況だけでなく、連絡相手が何を使っているかも判断材料です。
Teams Essentialsを解約するときはデータを事前確認する
Microsoftの一般法人向けサブスクリプションは、契約終了後に、
Active
↓
Expired
↓
Disabled
↓
Deleted
などのライフサイクルを経ます。
購入方法や契約条件によって期間や移行方法には違いがあります。
Disabled状態になると一般ユーザーはサービスへアクセスできなくなり、最終的なDeleted状態では関連データが削除されます。
Microsoftも、Microsoft 365を終了する場合はデータが削除される前にバックアップすることを推奨しています。
したがって、
「解約後もTeamsの会話やファイルを永久に閲覧できる」
とは考えず、必要な業務データの保存方法を契約終了前に確認してください。
顧客との連絡では「相手が既に使っているか」も重要
ビジネスチャットは、自分一人で完結するツールではありません。
顧客との連絡に使う場合、相手もサービスへ参加する必要があります。
そのため、機能比較だけでなく、
「主要な取引先はSlackを使っているか」
「Chatworkのアカウントを持っているか」
「Microsoft 365を利用している会社が多いか」
を確認する価値があります。
自分にとって便利でも、すべての顧客へ新規登録を要求すると、メールより連絡の手間が増える可能性があります。
ビジネスチャットへ移行する相手と、メールを残す相手を分けても構いません。
チャットを契約書代わりにしない
ビジネスチャットでは、
「この金額でお願いします」
「納期は金曜日です」
といった重要なやり取りも行われます。
チャットの記録が後から確認材料になる場合はありますが、重要な契約条件をすべてチャットだけで管理すればよいとは限りません。
特にSlack Freeの90日、Chatwork Freeの40日など、無料プランには履歴制限があります。
契約条件、正式な発注、成果物の範囲など重要事項については、必要に応じて契約書・発注書・確認メールなど別の形でも記録します。
顧客情報や機密情報を送る場合の注意
チャットが便利だからといって、すべての情報をメッセージへ貼り付ける必要はありません。
たとえば、
・顧客の個人情報
・パスワード
・クレジットカード情報
・機密契約書
・未公開の事業情報
などは、送信する必要性と共有範囲を確認します。
特に外部メンバーをチャンネルやグループへ招待する場合は、
「現在誰が参加しているか」
を確認してください。
外注契約終了後も元担当者がグループへ残ったままになっていないか、定期的に確認する運用も必要です。
パスワードをチャット本文で共有しない
WebサイトやSNSの運用を外注するとき、
「IDは○○、パスワードは△△です」
とチャット本文へ送る方法は避けたほうがよいでしょう。
必要ならパスワード管理ツールの共有機能などを使い、共有を終了したときにアクセス権を取り消せる方法を検討します。
ビジネスチャットは連絡手段であり、パスワード保管庫ではありません。
2段階認証も設定する
ビジネスチャットには顧客との会話やファイルが集まります。
そのためアカウント自体の保護も必要です。
各サービスで利用できる2段階認証・多要素認証などを確認してください。
Chatworkでは認証アプリによる2段階認証をFreeから利用できます。FreeではSMS認証は利用できません。
SlackやMicrosoftアカウントについても、それぞれ提供されている多要素認証設定を確認します。
ただし、多要素認証を設定すれば情報漏えいが絶対に起きないという意味ではありません。
共有設定、端末管理、メンバー削除なども別に必要です。
3サービスの選び方
案件・テーマごとにチャンネルを作りたい
プロジェクト、顧客、業務テーマごとに会話を分け、多数の業務ツールとも連携したい場合はSlackの管理方法を比較します。
無料で試す場合は90日の履歴制限を確認してください。
顧客との連絡とタスクをシンプルにまとめたい
チャットで依頼を受け、そのまま期限付きタスクとして管理したい場合はChatworkを比較します。
特に取引先が既にChatworkを利用している場合は導入しやすくなります。
一方、Freeは履歴40日、組織外コンタクト20人という制限があります。
Microsoft 365と一体化したい
Word、Excel、Outlook、OneDriveなどを業務の中心にしており、チャット・会議・ファイルも同じ環境へまとめたい場合はTeamsを比較します。
事業利用ではTeams EssentialsやMicrosoft 365 Business Basicを中心に料金を見ると判断しやすくなります。
最初から全顧客を移行しない
ビジネスチャットを導入するとき、すべての顧客へ一斉に、
「今後はこちらへ登録してください」
と依頼する必要はありません。
まず、
・継続的にやり取りする外注先1人
・社内または補助者1人
・チャット利用に同意する取引先1社
など、少人数で試します。
そのうえで、
連絡を見落とさないか
過去メッセージを探せるか
タスクを忘れにくくなったか
ファイルの保存場所が分かるか
スマートフォンの通知が多すぎないか
を確認します。
ツールを増やした結果、
メール
Slack
Chatwork
Teams
を全部確認しなければならなくなれば、分散管理の問題が悪化します。
まとめ|「機能数」より誰と何をやり取りするかで選ぶ
Slack、Chatwork、Microsoft Teamsはいずれも、個人事業主の仕事の連絡をまとめる候補になります。
ただし得意な使い方は同じではありません。
Slackは、チャンネルを中心に案件やテーマごとに情報を整理し、他の業務ツールと連携して使いたい場合に比較しやすいサービスです。
Chatworkは、チャットとタスク管理をシンプルにまとめ、顧客や外注先とのやり取りを管理したい場合に比較しやすくなります。
Microsoft Teamsは、チャット、オンライン会議、ファイル共有をMicrosoft 365とまとめて運用したい場合に比較できます。
選ぶときは、
「無料かどうか」
だけでなく、
「誰とやり取りするか」
「相手が既に使っているか」
「何か月前まで履歴を残す必要があるか」
「チャットからタスクを作りたいか」
「ファイルの正式な保管場所をどこにするか」
「オンライン会議も同じサービスで行うか」
「契約を終了したらデータをどう取り出すか」
まで確認してください。
特に無料版では、
Slack:直近90日のメッセージ・ファイルを表示・検索
Chatwork:直近40日のメッセージを閲覧
という制限があります。
重要な契約条件や長期保存が必要な資料を、無料ビジネスチャットの履歴だけに依存しないことも大切です。
※料金・機能・利用条件の情報確認日は2026年9月9日です。サービス内容は変更される可能性があるため、契約前に各社公式サイトで最新情報をご確認ください。

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