仕事で利用するWebサービスが増えると、
「同じパスワードを複数サービスで使っている」
「ブラウザ、紙、スマートフォンのメモにパスワードが分散している」
「どのパスワードが最新なのか分からない」
といった状態になりやすくなります。
パスワード管理ツールを利用すると、複数のログイン情報を保管し、Webサイトに合わせてパスワードを生成したり、自動入力したりできます。
ただし、パスワード管理ツールを導入すれば「絶対に安全」になるわけではありません。
管理ツール自体へアクセスするためのパスワードや復旧情報を失う可能性もありますし、端末が不正利用されたり、共有権限を誤ったりする可能性もあります。
個人事業主の場合は、さらに顧客情報、会計サービス、銀行関連サービス、Webサイト管理、広告、クラウドサービスなど、事業への影響が大きいアカウントを扱うことがあります。
この記事では、2026年9月9日に1Password、Bitwarden、NordPassの公式サイト・公式ヘルプで確認できた情報をもとに、3サービスを同じ基準で比較します。
「最も安全」「これを使えば安心」といった順位付けは行いません。
- まず1Password・Bitwarden・NordPassを比較
- 1Password|恒久無料版ではなく14日間の無料体験
- 1Passwordは複数端末で同期できる
- ブラウザで保存・自動入力できる
- 1Passwordはパスキーにも対応
- 1Password自体の2要素認証も設定できる
- 1Passwordは家族や相手と共有できる
- 1Passwordのアカウントパスワードを忘れたら?
- 1Passwordを解約するとどうなる?
- Bitwarden|無料でもパスワード数・端末数が無制限
- Bitwarden Premiumの料金
- BitwardenもWindows・Mac・スマートフォンに対応
- パスワード生成・自動入力・パスキーも無料
- Bitwardenの共有
- Bitwarden PremiumにはEmergency Accessがある
- Bitwardenのマスターパスワードを忘れたら?
- NordPass|無料版はあるが同時利用端末に注意
- NordPass Premiumの料金
- NordPassの対応端末・ブラウザ
- NordPassも自動入力・パスワード生成に対応
- NordPassもパスキーに対応
- NordPassの多要素認証
- NordPassの共有はPremium側の機能
- NordPass PremiumにはEmergency Accessがある
- NordPassのマスターパスワードを忘れたら?
- NordPass Premiumを解約するとどうなる?
- 暗号化方式だけで順位を付けない
- 個人事業主は「共有する相手」でプランが変わる
- 顧客情報をパスワード欄へ保存しすぎない
- 業務アカウントには使い回していないパスワードを作る
- 最初にパスワードより「復旧方法」を設定する
- まとめ|料金より「忘れたとき・共有するとき」まで確認する
まず1Password・Bitwarden・NordPassを比較
| 項目 | 1Password | Bitwarden | NordPass |
|---|---|---|---|
| 恒久無料プラン | なし。14日間無料体験あり | あり | あり |
| 個人向け有料料金 | Individual通常US$3.99/月。現在は新規・年払い初年度US$2.99/月相当のプロモーション表示 | Premium 年US$19.80 | Premiumあり。今回公式ページで価格の動的表示を取得できず |
| 保存パスワード数 | 明確な上限を今回公式料金ページで確認できず | 無制限 | 明確な上限を今回公式ページで確認できず |
| Windows | 対応 | 対応 | 対応 |
| Mac | 対応 | 対応 | 対応 |
| iPhone | 対応 | 対応 | 対応 |
| Android | 対応 | 対応 | 対応 |
| ブラウザ拡張 | Chrome、Firefox、Edge、Brave、Safari等 | Chrome、Firefox、Edge、Safari等 | Chrome、Firefox、Safari、Edge、Opera、Brave等 |
| 複数端末同期 | 対応・端末数制限なし | 無料から端末数無制限 | 無料でも同期。Freeはアクティブセッション1台 |
| パスワード生成 | 対応 | 無料から対応 | 対応 |
| 自動入力 | 対応 | 無料から対応 | 無料から対応 |
| 多要素認証 | 対応 | 無料から2段階ログイン対応 | 対応 |
| パスキー保存・利用 | 対応 | 無料から対応 | 対応 |
| 共有 | 個別リンク、Families等 | 無料は1人との共有、Familiesは6人 | 共有する側はPremium等が必要 |
| 緊急・復旧 | Recovery Code、Emergency Kit、Families等の管理者復旧 | PremiumのEmergency Access | Recovery Code、PremiumのEmergency Access |
| 有料解約後 | アカウントがFrozen状態になり閲覧・コピーは可能、自動入力や編集等は不可 | Freeへ戻りPremium機能が利用不可 | Freeへ戻り1アクティブセッション等の制限 |
3サービスとも、パスワードの保存・生成・自動入力という基本目的には対応しています。
大きな違いは、無料範囲と復旧方法です。
1Password|恒久無料版ではなく14日間の無料体験
1Passwordには、BitwardenやNordPassのような恒久無料の個人プランはありません。
IndividualとFamiliesには14日間の無料体験があります。
2026年9月9日現在、公式料金ページではIndividualについて、通常価格US$3.99/月と案内され、新規ユーザーが年払いを選んだ初年度について月額換算US$2.99のプロモーション価格が表示されています。
プロモーションは期間限定のため、「1Passwordは常にUS$2.99」と考えず、契約時に通常料金と更新後料金を確認してください。
1Passwordは複数端末で同期できる
1Passwordは、
・Windows
・Mac
・iPhone/iPad
・Android
・Linux
に対応しています。
1Passwordメンバーシップでは利用端末数に上限はなく、1台で加えた変更を他の端末にも同期できます。
パソコンとスマートフォンを両方仕事で使う場合でも、同じ保管庫へアクセスできます。
ブラウザで保存・自動入力できる
ブラウザ拡張機能はChrome、Firefox、Edge、Brave、Safariなどに対応しています。
Webサイトへログインするときに認証情報を保存し、次回以降は該当サイトに合わせて入力できます。
新しいパスワードを作る際には、1Passwordがパスワードを提案する機能もあります。
仕事で複数ブラウザを使っている場合は、普段使うブラウザが公式サポート対象になっているか確認してください。
1Passwordはパスキーにも対応
1Passwordでは、対応Webサイトのパスキーを保存し、次回ログイン時に利用できます。
保存したパスキーは他の1Passwordアイテムと同様に管理・移動・共有することもできます。
Windowsでは1Passwordをパスキーマネージャーとして利用する機能も提供されています。
ただし、パスキー対応状況はログイン先のWebサービスやOS・ブラウザにも左右されます。
「1Passwordが対応しているから、すべてのWebサービスをパスワードなしにできる」という意味ではありません。
1Password自体の2要素認証も設定できる
1Passwordアカウントには、認証アプリを使った2要素認証を設定できます。
対応するセキュリティキーを第2要素として利用することもできます。
1Password公式は、1Password自身の2要素認証コードについては、同じ1Password保管庫ではなく別の認証アプリを使用するよう案内しています。
「金庫を開けるための鍵を、その金庫の中だけに置く」状態を避けるためです。
1Passwordは家族や相手と共有できる
Individualでも、保存したアイテムを共有リンクで他の人へ渡す機能があります。
相手が1Passwordを使用していなくても共有でき、リンクの有効期限や共有相手を指定できます。
Familiesでは最大5人の家族を招待し、共有保管庫を利用できます。
ただし、従業員や業務委託先と長期間にわたって業務アカウントを管理する場合は、個人・家族向け共有ではなくBusinessなど業務向けプランの権限管理も比較したほうがよいでしょう。
1Passwordのアカウントパスワードを忘れたら?
ここは導入前に確認しておきたい部分です。
1Passwordでは、アカウントパスワードをサービス運営側が知ることはできないと説明しています。
ただし現在は、事前にRecovery Codeを作成していれば、そのコードを使ってアカウントへのアクセスを復旧し、新しいパスワードを設定できます。
FamiliesではFamily Organizer、チームでは管理者からアカウント復旧を受けられる場合もあります。
また1PasswordではEmergency Kitが作成されます。
公式は、Emergency Kitをパソコンの中だけに残さず、印刷したり外部媒体へ保存したりして備えるよう案内しています。
「ツールを契約したら終わり」ではなく、復旧手段を安全に保管するところまでが初期設定と考えたほうがよいでしょう。
1Passwordを解約するとどうなる?
1Passwordの有料契約を解約すると、現在の請求期間終了後にアカウントが「Frozen」の状態になります。
Frozen状態でも、
・保存アイテムを見る
・パスワードをコピーする
・別の保管庫へコピーする
ことはできます。
一方、
・新規アイテム追加
・アイテム編集
・ブラウザからの自動入力
・家族やメンバーの招待
などは利用できなくなります。
そのため「解約した瞬間に全パスワードが消える」というわけではありませんが、パスワード管理ツールとして通常どおり使い続けられるわけでもありません。
Bitwarden|無料でもパスワード数・端末数が無制限
Bitwardenには恒久無料プランがあります。
Freeでも、
・パスワード数無制限
・端末数無制限
・複数端末同期
・パスワード生成
・自動入力
・2段階ログイン
・パスキー管理
・他の1ユーザーとの共有
などを利用できます。
「まずブラウザや紙に散らばったパスワードを一か所へ移したい」という段階では、無料版だけでも基本機能を確認できます。
Bitwarden Premiumの料金
2026年9月9日現在、Premiumは、
年US$19.80
です。
公式料金ページでは月額換算US$1.65と表示されていますが、年額課金です。
Premiumにすると、
・Bitwarden Authenticator
・ファイル添付
・Emergency Access
・各種セキュリティレポート
などが追加されます。
Familiesは6人までで年US$47.88です。
BitwardenもWindows・Mac・スマートフォンに対応
BitwardenにはWindows、Mac、iOS、Androidなどのアプリがあり、Chrome、Firefox、Edge、Safariなどのブラウザ拡張も提供されています。
公式のプラン比較では、Freeを含めてデバイス間アクセスと同期に対応しています。
複数の仕事用パソコンとスマートフォンがある場合でも、無料版から同じ保管庫を利用できます。
パスワード生成・自動入力・パスキーも無料
Bitwarden Freeにはパスワードジェネレーターと自動入力が含まれます。
パスキーの管理・利用もFreeから対応しています。
また、Bitwarden自体へログインする方法としてパスキーを設定できる機能もありますが、保管庫の暗号化までパスキーで解除するには、ブラウザや認証器が対応している必要があります。
パスキーは「保存先サービスへのログインに使うパスキー」と「Bitwardenそのものへのログインに使うパスキー」を分けて考えてください。
Bitwardenの共有
Freeでも他の1ユーザーと保管庫アイテムを共有できます。
Familiesでは6人まで利用でき、共有コレクション数も無制限になります。
家族と家庭用サービスを共有するのと、従業員や外注先と顧客管理・サーバー・広告などの業務アカウントを共有するのでは、必要な管理機能が異なります。
複数人で事業用パスワードを継続管理するなら、Teamsなどビジネス向けプランも比較対象になります。
Bitwarden PremiumにはEmergency Accessがある
Premiumでは「Emergency Access」を利用できます。
事前に信頼できる連絡先を指定しておき、緊急時に保管庫へのアクセスを要求してもらう仕組みです。
アクセス権には、
・View:閲覧
・Takeover:アカウントを引き継ぐ
があります。
一定の待機時間を設定し、その間に本人が拒否しなければアクセスを許可する運用もできます。
個人事業主の場合、自分が病気・事故などで対応できなくなった際に、業務継続のため誰がどこまでアクセスできるべきかを考える材料になります。
ただし、全顧客情報や金融サービスまで一律に共有すべきという意味ではありません。
Bitwardenのマスターパスワードを忘れたら?
Bitwardenは、運営側がマスターパスワードを取得したりリセットしたりすることはできないと明記しています。
忘れた場合は、
・別端末でログイン状態が残っていないか
・マスターパスワードのヒント
・Emergency Access
・既知デバイスからのログイン
・設定済みパスキー
などを確認します。
これらでもアクセスできない場合、Bitwarden側で保管庫を復旧する方法はなく、アカウントを削除して作り直す必要があります。
したがって、マスターパスワードを覚える方法と緊急時の復旧手段を、導入時に用意しておくことが重要です。
NordPass|無料版はあるが同時利用端末に注意
NordPassにも恒久無料プランがあります。
Freeでも、
・パスワード等の保存
・自動保存
・自動入力
・複数端末へのデータ同期
・アプリとブラウザ拡張のインストール
などが利用できます。
ただしFreeでは、アクティブにログインして利用できるセッションは1台です。
アプリ自体は複数端末へインストールでき、データも同期されますが、Premiumのように複数端末で同時にログイン状態を維持できません。
パソコンとスマートフォンを頻繁に行き来する人は、この違いを確認してください。
NordPass Premiumの料金
NordPassにはPremiumとFamilyがあります。
しかし2026年9月9日に取得できた公式料金ページでは、料金部分が動的表示となり、具体的な金額を確実に取得できませんでした。
そのため本記事では過去価格やキャンペーン価格を流用せず、
NordPass Premium:公式購入画面で確認
とします。
公式ページでは、Premium・Familyに30日間の返金保証が案内されていますが、対象条件があります。
期間限定割引を通常料金と混同しないようにしてください。
NordPassの対応端末・ブラウザ
2026年9月9日現在、公式ヘルプでは、
・Windows 10以降
・macOS 13以降
・Android 9以降
・iOS 18以降
などが対応環境として案内されています。
ブラウザ拡張は、
・Chrome
・Firefox
・Safari
・Edge
・Opera
・Brave
などに対応しています。
NordPassも自動入力・パスワード生成に対応
NordPassはWebブラウザやモバイルアプリで自動入力できます。
デスクトップブラウザで利用する場合はブラウザ拡張を使用します。
パスワードジェネレーターでは長さなどを設定して新しいパスワードを作成できます。
既存の短いパスワードをそのまま保存するだけでなく、パスワード変更時に新しいものを生成する使い方ができます。
NordPassもパスキーに対応
NordPassでは、対応するWebサイト等のパスキーを保管庫へ保存し、ログインに利用できます。
パスキーは他の保管庫アイテムと同様に共有することもできます。
ただしWebサービス側がパスキーへ対応している必要があります。
NordPassの多要素認証
NordPassではNord AccountにMFAを設定できます。
公式ヘルプでは、
・認証アプリ
・セキュリティキー
を利用できると案内されています。
MFAを設定する場合はバックアップコードも保存しておく必要があります。
またNordPass Premiumには、他のサービス用の認証コードを生成するNordPass Authenticator機能もあります。
「NordPass自身へのMFA」と「NordPassを他サービスの2FA認証器として使う機能」は別です。
NordPassの共有はPremium側の機能
NordPassで保管庫アイテムを他人と共有する機能は、共有する側がPremiumまたはBusinessユーザーである必要があります。
Freeユーザーでも共有された情報を受け取ることはできます。
権限として、
・編集可能
・再共有可能
・閲覧可能
・自動入力のみ
などを設定できます。
パスワードをメールやチャット本文へ直接貼り付ける代わりに、共有機能を使って権限を管理する方法があります。
NordPass PremiumにはEmergency Accessがある
PremiumとFamilyではEmergency Accessを設定できます。
事前に別のNordPassユーザーを指定しておき、緊急時にパスワードやSecure Noteへアクセスしてもらう仕組みです。
Emergency Accessを付与する側はPremiumである必要がありますが、受け取る相手はFreeユーザーでも構いません。
自分が業務を継続できなくなった場合に、どのアカウントを誰が引き継ぐ必要があるかを決める際の選択肢になります。
NordPassのマスターパスワードを忘れたら?
NordPassではアカウント作成時に24文字のRecovery Codeが発行されます。
マスターパスワードを忘れた場合、このRecovery Codeを使って新しいマスターパスワードへ変更できます。
Recovery Codeもなくした場合でも、生体認証でまだNordPassへアクセスできる端末があれば、新しいRecovery Codeを作れる場合があります。
マスターパスワード、Recovery Code、生体認証による既存アクセスのいずれも使えない場合は、アカウントをリセットする方法があります。
ただし、このリセットでは保管庫内のアイテムが削除されます。
Recovery Codeをメールやパスワード保管庫内だけに置くのではなく、別の安全な場所にも保管することを検討してください。
NordPass Premiumを解約するとどうなる?
NordPassで自動更新をキャンセルしても、現在の契約期間中は利用できます。
Premium終了後はFreeの制限へ戻り、複数端末で同時にアクティブな状態を維持できなくなります。
Premiumで添付していたファイルについては、契約終了後も閲覧・ダウンロードできますが、Freeでは新しい添付ファイルをアップロードできないと公式ヘルプで案内されています。
また、Freeアカウントを36か月間まったく使用しなかった場合は、事前通知後にアカウントと保管庫データが削除されるDormant Account Policyがあります。
暗号化方式だけで順位を付けない
各サービスは暗号化や保管方法について公式情報を公開しています。
たとえばNordPassは、保管庫データについてXChaCha20系の暗号化とゼロ知識方式を説明しています。
Bitwardenもゼロ知識暗号化を採用し、クライアントとサーバー間ではTLSを利用すると説明しています。
1Passwordも、保管庫内の情報をエンドツーエンドで暗号化し、アカウントパスワードとSecret Keyを組み合わせて保護すると説明しています。
ただし、
「暗号方式AだからサービスAが絶対に安全」
と判断することはできません。
実際の情報管理には、
・マスターパスワードの管理
・多要素認証
・端末のOS更新
・ブラウザ拡張の更新
・共有権限
・復旧コードの保管
・退職者や外注終了時のアクセス削除
なども関係します。
暗号化方式は比較項目の一つであって、それだけで安全性を順位付けしないほうがよいでしょう。
個人事業主は「共有する相手」でプランが変わる
1人だけで利用するなら、まず自分のパソコンとスマートフォンで無理なく利用できるかが重要です。
一方、
・家族が経理を手伝う
・従業員がWebサイトを更新する
・外注先がSNSを運用する
・事務担当者が予約システムを操作する
といった場合は、「パスワードを渡せるか」だけでは不十分です。
確認したいのは、
「共有相手が元のパスワードを見られる必要があるか」
「相手が退職・契約終了したときにアクセスを止められるか」
「誰に何を共有しているか把握できるか」
です。
継続的に従業員や外注先へ業務アカウントを共有するなら、個人・Familyプランだけでなく各社のBusiness・Teamsプランも比較してください。
顧客情報をパスワード欄へ保存しすぎない
パスワード管理ツールにはSecure Note、住所、カード、ファイルなどを保存できるものがあります。
だからといって、
顧客名簿
契約書一式
顧客の本人確認書類
大量の医療・金融情報
などを、必要性を確認せずパスワード管理ツールへ集約する必要はありません。
パスワード管理ツールには、まずログイン認証情報やその復旧に必要な情報を保存し、それ以外の顧客情報は目的に適した保管先を別途検討します。
顧客や取引先との契約で保管場所が指定されている場合は、その条件を優先してください。
業務アカウントには使い回していないパスワードを作る
パスワード管理ツールを導入しても、保存するパスワードそのものを使い回していれば、一つのサービスでパスワードが漏れた際に他のサービスへ影響する可能性があります。
移行するときは、特に重要な業務アカウントから順に、
・メール
・クラウドストレージ
・Webサイト管理
・会計サービス
・広告管理
・ネットショップ
・SNS
などのパスワードを個別に変更し、ジェネレーターで異なるパスワードを設定する方法があります。
すべてを1日で変更する必要はありません。
最初にパスワードより「復旧方法」を設定する
導入直後に確認したいのは、自動入力の便利さだけではありません。
1PasswordならRecovery CodeやEmergency Kit。
Bitwarden PremiumならEmergency Access。
NordPassならRecovery Code。
といった復旧方法があります。
まずテスト用のアカウントを保存し、
- パソコンでログインできる
- スマートフォンでも確認できる
- パスワードを自動生成する
- 自動入力する
- MFAを設定する
- 復旧コードを保管する
- 必要なら信頼できる人への緊急アクセスを設定する
ところまで確認します。
その後、重要な業務アカウントを順番に移すほうが、パスワードを一度に大量移行して復旧方法が分からなくなる状態を避けやすくなります。
まとめ|料金より「忘れたとき・共有するとき」まで確認する
1Password、Bitwarden、NordPassはいずれも、紙、メモ、ブラウザなどへ分散したログイン情報を管理する候補になります。
ただし無料範囲は大きく異なります。
1Passwordは恒久無料版ではなく、14日間の無料体験後は有料契約が必要です。
Bitwardenは無料でもパスワード数・端末数が無制限で、生成・自動入力・パスキーなどの基本機能を利用できます。
NordPassも無料版がありますが、複数端末へ同期しながら、Freeではアクティブなセッションが1台という制限があります。
個人事業主が比較するときは、
「無料で使えるか」
だけでなく、
「パソコンとスマートフォンを両方使えるか」
「パスキーを保存できるか」
「家族・従業員・外注先へどう共有するか」
「自分がログインできなくなったら誰が業務を引き継げるか」
「マスターパスワードを忘れた場合に何が必要か」
まで確認してください。
特にパスワード管理ツールは、マスターパスワードやRecovery Codeを失ってから復旧方法を考えるのでは遅い場合があります。
導入時に復旧手段まで設定し、それから重要な業務アカウントを移していくことが判断のポイントです。
※料金・機能・利用条件の情報確認日は2026年9月9日です。最新条件は利用開始前に各社公式情報をご確認ください。

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