個人事業主がホームページを作ろうとすると、最初に迷いやすいのが「何を使って作るか」です。
WordPressを使う方法もあれば、WixやJimdoのようなホームページ作成サービスもあります。無料ブログから始める方法、制作会社やフリーランスへ依頼する方法、ホームページを持たずSNSだけで集客する方法もあります。
どれが一番良いかは、予算だけでは決まりません。
確認したいのは、
・最初にいくらかかるか
・毎月いくらかかるか
・独自ドメインを使えるか
・サービス側の広告が表示されるか
・自分で更新しやすいか
・公開までにどの程度の作業が必要か
・将来ほかのサービスへ移転しやすいか
といった点です。
この記事では、2026年9月8日に各サービスの公式サイト・公式ヘルプで確認できた内容を使い、個人事業主がホームページを作る方法を比較します。
料金や機能は変更される可能性があります。契約前には各社の最新公式情報を再確認してください。
5つの方法を先に比較
| 方法 | 初期費用 | 月額費用 | 独自ドメイン | サービス広告 | 更新 | 移転 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| WordPress+レンタルサーバー | WordPress自体は無料。サーバー等が必要 | サーバー料金等 | 利用可能 | WordPress自体の広告表示なし | 自分で管理 | 比較的移転しやすい |
| ホームページ作成サービス | 無料~有料 | 0円~有料 | 無料プランでは不可の場合あり | 無料プランでは表示される場合あり | 管理画面から更新 | サービスによる |
| 無料ブログ・無料ホームページ | 0円から | 0円から | 有料化が必要な場合あり | 運営側広告が表示される場合あり | 比較的簡単 | サービスによる |
| 制作会社・フリーランスへ外注 | 見積もりによる | 保守契約等により異なる | 契約内容による | 契約内容による | 自分または制作者 | 契約・制作方式による |
| SNSだけで運営 | ホームページ制作費は不要 | ホームページ維持費は不要 | ホームページ用独自ドメインなし | SNSプラットフォーム上で運営 | 投稿しやすい | 他サービスへの完全移転とは別問題 |
この表だけでは費用を比較しきれません。
特に注意したいのが、「無料で作れる」と「仕事用ホームページとして必要な条件まで無料」は別だという点です。
たとえば無料でページを公開できても、
・独自ドメインが使えない
・サービス名入りのURLになる
・運営会社の広告が表示される
・アクセス解析や決済など一部機能が使えない
という場合があります。
WordPress+レンタルサーバーで作る
WordPressは、自分で契約したサーバーへインストールして使えるCMSです。
WordPress.orgが配布するWordPressソフトウェア自体に月額利用料はありませんが、インターネット上で公開するにはWordPressを動かせるサーバー環境が必要です。
WordPress公式では、PHP、MySQLまたはMariaDB、HTTPSに対応するホスティング環境が案内されています。
WordPressの費用はサーバーによって変わる
具体例としてエックスサーバーを確認します。
2026年9月8日現在、エックスサーバーのスタンダードプランは、36か月契約時の通常料金として月額990円(税込)、初期費用0円と公式サイトに掲載されています。キャンペーンによる実質価格は期間限定なので、通常料金と分けて考えたほうがよいでしょう。
また、契約期間などの条件を満たす場合、対象の独自ドメインをサーバー契約中無料で利用できる特典があります。スタンダードプランでは、新規契約12か月で1個、24か月以上で2個など条件があります。
したがって、「WordPressは無料」と言っても、実際のホームページ運営費まで0円になるわけではありません。
サーバー代、条件によってはドメイン代、有料テーマや有料プラグインを使う場合はそれらの費用も考える必要があります。
独自ドメインと広告表示
自分で取得した独自ドメインを設定できます。
また、WordPressそのものがページ上に運営会社の広告を強制表示する仕組みではありません。
この点は、無料ホームページ作成サービスとの大きな違いです。
更新のしやすさ
記事や固定ページの更新はWordPressの管理画面から行えます。
ただし、サーバー、WordPress本体、テーマ、プラグインなどを自分で管理する必要があります。
「文章を更新できるか」だけでなく、「システムを維持できるか」まで含めて考える必要があります。
移転はしやすい?
WordPressには標準のエクスポート機能があります。
投稿、固定ページ、コメント、カテゴリー、タグなどをXMLファイルとして書き出し、別のWordPressサイトへインポートできます。WordPress公式も、別のホスティングサービスへ移動するときの用途として案内しています。
ただし、テーマのデザイン、プラグイン設定、画像やサーバー固有設定など、サイト全体の完全移行には別作業が必要になる場合があります。
そのため「ボタン一つですべて移せる」とまでは考えないほうがよいでしょう。
Wix・Jimdo・とりあえずHPなどのホームページ作成サービス
ホームページ作成サービスは、サーバーや編集画面などが一体になっているため、自分でサーバーへWordPressをインストールする必要がありません。
HTMLやサーバー管理を避けたい人は比較候補になります。
ただし、料金や無料範囲はサービスごとにかなり違います。
Wix|無料で作れるが独自ドメインと広告非表示は有料
Wixは無料アカウントを作成し、そのままサイトを制作・公開できます。
ここで「無料」の意味を確認しておく必要があります。
Wix無料サイトのURLは、
siteprefix.wixsite.com/siteaddress
というWixのドメインを使います。独自ドメインを接続するにはサイトを有料プランへアップグレードする必要があります。
また、無料サイトにはWixの広告が表示されます。
公式ヘルプでは、有料プランへアップグレードすると、
・独自ドメインの接続
・Wix広告の削除
・追加ストレージ
・オンライン決済
・Googleアナリティクス
などが利用できると案内されています。
つまり、
「Wixでホームページを無料公開できる」
ことは事実ですが、
「独自ドメイン+Wix広告非表示の仕事用サイトまで無料」
という意味ではありません。
Wixの料金
Wixの有料料金は契約期間や選択するプラン、購入画面の条件によって変わります。
今回確認した公開公式ヘルプから、日本向け全プランの固定された最新料金一覧を同一条件で取得できなかったため、この記事では具体的な月額を断定しません。
契約前にWixのアップグレード画面で確認してください。
更新と制作時間
ドラッグ&ドロップやAIを使ってサイトを編集できます。Wix公式はコードを書かずにサイトを作成できる仕組みを案内しています。
ただし、「個人事業主の一般的な5ページサイトなら何時間で完成する」といった統一された制作時間は、今回の公式情報では確認できませんでした。
Jimdo|無料プランあり。有料プランで独自ドメイン等を利用
Jimdoにも無料プランがあります。
公式料金ページでは、無料プランで作成した後に有料プランへアップグレードできると案内されています。
有料プランでは独自ドメインを接続できます。Jimdo公式は、取得済みの独自ドメインをJimdoへ移管する方法と、管理会社を変えずに接続する方法の両方を案内しています。
Jimdo AIビルダーについては、公式サイトで有料プランでは広告非表示などの特典があると案内されています。
したがってJimdoも、「無料でサイトを作れること」と「独自ドメイン・広告非表示まで無料」は分けて考える必要があります。
Jimdoの料金例
2026年9月8日現在、Jimdo AIビルダーの新規向け料金は、
Start:月契約1,720円(税込)
Grow:月契約2,720円(税込)
です。
年契約・2年契約もあり、更新時にはドメイン利用枠が料金に加算される場合があります。
料金体系が更新されているため、古い比較記事の金額をそのまま使わず、契約時の公式料金を確認してください。
とりあえずHP|無料体験はあるが、継続利用は有料
「とりあえずHP」は、ドメイン、サーバー、ホームページ作成機能をまとめて提供するサービスです。
2026年9月8日現在、ライトプランは、
・初期費用7,920円(税込)
・月額3,520円(税込)
です。
独自ドメイン、サーバー、SSL、フォーム、Googleマップ、100ページまでの作成機能などが料金に含まれると公式サイトに記載されています。
30日間の無料体験がありますが、これは「無料プランを無期限で使える」という意味ではありません。
無料体験終了後に正式申込みをしなければ、有償へ自動切替されない仕組みです。
制作時間の公式目安
とりあえずHPは、文章や写真をあらかじめ用意している場合、最短60分程度、じっくり作る場合でも数時間で公開できる状態を目指せると公式サイトで案内しています。
今回比較したサービスの中で、具体的な制作時間を公式サイト上で確認できた例の一つです。
ただし、これはサービス側の案内であり、すべての利用者が同じ時間で完成することを保証するものではありません。
解約・移転は確認してから契約したい
とりあえずHPでは、契約終了時にホームページデータが削除されます。
独自ドメインは希望すれば移管できますが、2026年9月8日現在、ドメイン移管には1ドメイン15,840円(税込)の事務手数料がかかると公式ヘルプに記載されています。
また、移管手続きには全体で1~3週間程度かかる場合があると案内されています。
「作りやすさ」だけでなく、「数年後に別サービスへ移りたくなった場合」を考えておくべき例です。
無料ブログ・無料ホームページを使う
最初からサーバー契約をせず、無料ブログや無料ホームページサービスで情報を公開する方法もあります。
この方法の利点は、初期費用を抑えて公開を始めやすいことです。
ただし、無料サービスでは独自ドメインや広告非表示が無料範囲に含まれない場合があります。
例:はてなブログ
はてなブログでは無料版を利用できますが、独自ドメインの利用や、はてなによる広告の非表示は有料プラン「はてなブログPro」の機能として案内されています。
つまり、
「0円で記事を公開する」
ことと、
「自社独自ドメインで広告のないホームページを持つ」
ことは別です。
個人事業主が無料サービスを使う場合は、
・URLにサービス名が入ってよいか
・運営側広告が表示されてよいか
・問い合わせページなど必要なページを作れるか
・後から独自ドメインへ移行できるか
を確認してください。
制作会社やフリーランスへ外注する
自分で作らず、制作会社やフリーランスへ依頼する方法もあります。
この方法について「個人事業主のホームページは○万円が標準」と一律に言うことはできません。
制作するページ数、写真撮影、文章作成、予約機能、EC機能、デザイン、WordPress導入、保守管理などによって見積もりが変わるからです。
今回の調査条件では、特定の制作会社の料金を「外注の一般相場」として扱うことはしません。
比較するときは金額だけでなく、見積書で次の内容を確認する必要があります。
制作費に何が含まれるか、独自ドメインの契約者は誰か、サーバーの契約者は誰か、自分で更新できるか、修正費用はいくらか、解約時にサイトデータを受け取れるか、別会社へ移転できるか、という点です。
特に「ドメインとサーバーを誰の名義で契約するか」は将来の移転にも関係します。
外注は制作作業を減らせる可能性がありますが、完成後の運営まで含めて契約内容を確認する必要があります。
SNSだけで運営する
Instagram、X、FacebookなどのSNSだけで事業情報を発信し、ホームページを作らない方法もあります。
この場合、ホームページ用のサーバー料金や制作費は不要です。
更新もSNSへの投稿なので、ホームページ編集画面を覚える必要はありません。
一方で、「自分の独自ドメインを持つホームページ」とは仕組みが異なります。
SNSのプロフィールURLや投稿は、そのSNSプラットフォーム上に存在します。
そのため、
・会社概要
・料金表
・サービス内容
・問い合わせ方法
・利用規約
・よくある質問
などを長期的に整理して掲載したい場合は、SNSだけで十分かを考える必要があります。
また、SNSの投稿を別のホームページサービスへそのまま完全移転できるとは限りません。
SNSを集客入口として使い、詳しい事業情報は独自ホームページへ置く方法もありますが、それが必要かどうかは事業内容次第です。
「無料で作れる」を3段階に分けて考える
ホームページの費用を比較するときは、「無料」を一つの意味で考えないほうが分かりやすくなります。
1.ページを作るだけなら無料
WixやJimdoなどは無料でサイト作成を始められます。
無料ブログも同様です。
この段階では「試しに作ってみる」ことができます。
2.独自ドメインにすると有料になる場合がある
Wixでは独自ドメイン接続に有料プランが必要です。
Jimdoでも独自ドメインは有料プランで利用します。
無料ブログでも、独自ドメインが有料プラン向け機能になっている場合があります。
3.広告を消すと有料になる場合がある
Wix無料版ではWix広告が表示され、有料プランで削除できます。
Jimdoも有料プランの特典として広告非表示を案内しています。
はてなブログもProで運営側広告を非表示にできます。
したがって、
「ホームページを0円で公開できる」
という説明を見たときは、
「独自ドメインも0円か」
「広告非表示も0円か」
を別に確認する必要があります。
更新のしやすさと移転のしやすさは別
ホームページを選ぶときは、最初の制作だけを見ると判断を誤りやすくなります。
たとえばホームページ作成サービスは、管理画面から文章や画像を変更しやすい反面、サービス独自の仕組みで作られているため、別サービスへ移る際の条件はサービスごとに異なります。
一方、WordPressは管理作業が増えますが、標準のエクスポート・インポート機能があります。
とりあえずHPのように、独自ドメインは移管できてもサイトデータは契約終了時に削除されるサービスもあります。
契約前に、
「3年後に別サービスへ変更するとしたら、何を持っていけるのか」
を一度確認しておくと比較しやすくなります。
どの方法が向いているか
特定の方法を全員におすすめすることはできません。
初期費用を極力かけず、「まず事業紹介ページを公開できればよい」という段階なら、無料ホームページや無料ブログを試す方法があります。ただし独自ドメインと広告表示の条件は確認が必要です。
サーバー管理をできるだけ避け、自分で文章や写真を更新したい場合は、Wix、Jimdo、とりあえずHPなどのホームページ作成サービスが比較候補になります。
記事を増やしたり、長期的にサイトを育てたり、将来サーバーを変更する可能性まで考えるなら、WordPressも候補になります。
制作作業そのものに時間を使いたくない場合は、制作会社やフリーランスへの外注を検討できます。ただし所有権、更新方法、ドメイン、サーバー、移転条件を契約前に確認する必要があります。
すでにSNSから問い合わせが十分に入り、固定ページとして掲載したい情報も少ないなら、すぐにホームページを作らずSNS中心で運営する考え方もあります。
まとめ|「一番安く作る」より、2~3年使う前提で比較する
個人事業主がホームページを作る方法は、大きく分けると、
WordPress+レンタルサーバー
ホームページ作成サービス
無料ブログ・無料ホームページ
制作会社・フリーランスへの外注
SNSのみ
があります。
重要なのは、最初の制作費だけで決めないことです。
無料サービスでも、独自ドメインや広告非表示には有料プランが必要な場合があります。
WordPressはソフトウェア自体は無料でも、サーバーなどの維持費が必要です。
外注は自分の制作時間を減らせますが、料金だけでなく更新や移転の契約条件を確認する必要があります。
比較するときは、
「初年度にいくら払うか」
「2年目以降はいくらか」
「独自ドメインを使えるか」
「広告が表示されるか」
「自分で更新できるか」
「サービスをやめるときデータとドメインを移せるか」
まで確認すると、自分の事業に合う方法を判断しやすくなります。
※料金・機能・契約条件は2026年9月8日確認。サービス内容は変更される可能性があります。契約前に各社公式サイト・公式ヘルプで最新情報をご確認ください。

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